「パーマが薄毛の原因だと思うので毛髪診断して下さい。」と相談されたことがありました。
もうかれこれ10数年ほど前のことですけどね。
この相談は大学生の男の子からだったのですが心配してお母さんも一緒に来店されていました。
パーマは薄毛の原因になる?
目視ではそれほどの薄毛ではないようでしたが抜け毛を調べてみないと詳しいところはわかりません。
そこで、持参してもらった抜け毛を30本ほど顕微鏡で調べてみたんです。そうしたら意外な結果が出たんですよね。
なんと!調べたほとんどの抜け毛は、実は切れ毛だったんです。これはどういうことなのでしょうか?
本人にいろいろと話を聞いてみると2ヶ月ほど前にストパー(ストレートパーマ)をかけたそうです。
ストパーは薬液とアイロンでくせ毛を真っ直ぐにする技術です。
アイロンなので熱でかけていきますが、よりくせ毛を伸ばすためにアイロンで挟んで引っ張るんですね。俗に言うテンションをかけるってことです。
ある程度の技術を持った理美容師なら問題ありませんけど、未熟な人がストパーを実施すると髪の毛が傷むんですよ。なぜなら、その人の髪の毛の状態を確認せずにただ単にくせ毛が伸びれば良いという考えで行うからです。
特にアイロン技術は髪の毛に熱を加えるので一歩間違うとその場で髪にダメージを与えることになりますから要注意です。しかも、熱に加えてテンションまで加えるのですからダメージは倍になります。
ですからストパーをされる場合には信頼できる理美容師のいるサロンで行ってくださいね。
さて、話は戻りますが、私の店に相談に来られた大学生はまさにストパーによって髪の毛の根本から約2センチほどの所が傷んでいたんです。
ですから傷んでいた部分から髪の毛が切れてしまい、それが抜け毛のように見えていたというわけなんですよ。
持参された抜け毛と思っていた毛を調べたら髪の毛根部分が無くて全て切れた状態でした。
このような毛は顕微鏡で見なくても、虫眼鏡でも確認することが出来る場合もありますから気になる人はやってみて下さいね。
ストパー 切れ毛と抜け毛
今回はストパーが原因で切れ毛が出来てそれを抜け毛と勘違いして薄毛になるかもって心配されたからの相談でした。
切れ毛と抜け毛は違いますから薄毛になる心配はなくなったのですが、髪は傷まないに越したことはありませんよね。
それに髪が傷むのはなにもストパーだけではないんですよ。一般的にかけるパーマも同様なんです。
パーマはロッドという円形状のものに髪の毛を巻いて輪ゴムで止めてから薬液処理をしてカールやウェーブを作ります。
この時、つまりロッドに髪の毛を巻く時も少なからずテンションをかけるんですね。
しかも一液と二液を使って薬液処理をすることで髪に変化を付けるんですよ。
テンションをかけ過ぎたり、薬液の時間のかけすぎ(タイムオーバー)なども髪の毛を傷ませる原因となりますから注意が必要です。
ストパー同様、パーマも信頼できるサロンで行うようにして下さいね。
ちなみにパーマの場合は、輪ゴムを止めていた箇所からの切れ毛が見られる場合があります。
これも実際に私のサロンに初めて来店されたお客さんで見られたケースです。
初めてのお客さんなので髪の毛を触りながら注文される髪型を聞いていたんですけど、その際に髪の毛がよく落ちるんですよ。
気になったので落ちた毛を調べてみたら途中で切れているんですよ。
よくよく話を聞くと数ヶ月前にパーマをかけたとのこと。
確かに髪にはウェーブが残っていたのでパーマをかけていたのはわかっていたのですがまさか輪ゴムの痕から切れていたとは意外でした。
パーマは薄毛の原因になる?まとめ
パーマは薄毛の原因にはなりません。ただし、髪の痛む原因にはなります。
今回はパーマ、ストパーで髪の毛が傷んで切れ毛が出来た。それを抜け毛と勘違いして薄毛になるかも?と、思い込んだケースを紹介しました。
私は理容師なのでわかるのですが、一般の人は切れ毛なのか抜け毛なのかなんてそれほど注意して見てはいないと思います。
もし、気になるようなら行きつけの理美容店に枕やシーツに落ちている抜け毛を持参して調べてもらえば良いでしょう。